損傷による全身性反応
ソンショウニヨルゼンシンセイハンノウ
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分野名
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解説
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【概要】
・侵襲が大きな場合や多量出血を伴う場合にはショック状態に陥ることあり
・頭部外傷の場合は意識障害を伴うことがある
・口腔顎顔面の損傷時には、骨折等による形態異常や出血、腫脹により、気道閉塞を伴うことがある
【損傷(外傷)】
≪定義≫
・体内または体外において、異常な外力や温熱、化学物質などにより、直接引き起こされた臓器や組織の形態的・機能的障害のこと
・外力による損傷を、特に「外傷」という
≪受傷部≫
・軟組織→組織の離断、挫滅、凝固、欠損など
・硬組織→骨折、脱臼、歯折・歯の脱落など
・皮膚・粘膜創(被覆上皮消失)→血液・体液等の喪失、易感染症、組織実質欠損
・骨折→形態保持不能:形態異常、運動障害・機能障害
・臓器→臓器固有の機能の障害、内出血等
≪症状≫
・原因のいかんにかかわらず、受傷部とその周囲組織には炎症反応が生じる
・創傷の存在と機能障害
・疼痛:自発痛、運動時痛→一旦軽快後に自発痛が再開した場合は感染を疑う
・出血:外出血、内出血(血腫、皮下出血)→出血性ショック、感染
≪全身性反応≫
・侵襲が大きな場合や多量出血を伴う場合にはショック状態に陥ることがあり、また頭部外傷の場合は意識障害を伴うことがある
・口腔顎顔面の損傷時には、骨折等による形態異常や出血、腫脹により、気道閉塞を伴うことがある
≪治療の原則(特に外傷)≫
(1)救命救急処置を最優先する
→気道確保、呼吸管理、循環管理、止血、疼痛対策、ショック対策、感染対策、生命に影響を及ぼす臓器損傷への対応を優先する
→意識、呼吸、脈拍、血圧、吐気、鼻・口腔出血、皮膚色、気道閉塞等のチェック
(2)局所については、損傷治癒後の機能的・形態的障害を最小限に抑えること
→感染予防に努め、軟組織創傷は一期治癒を目指し、骨折は可及的早期に整復・固定する
(3)生体治癒過程の促進を図る
→治癒過程に悪影響を及ぼす因子を除外し、正常な治癒過程を営ませる
→感染予防、異物・壊死組織・血腫の除去、安静、栄養管理、睡眠、早期離床、等
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