破折 義歯
ハセツ ギシ
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分野名
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解説
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●義歯床の破折
(原因)
・強度不足:床厚の不足、重合操作の失敗、材料の疲労
・義歯の動揺:維持装置や補強線の位置不良、床の不適合
・咬合力の不調和:人工歯排列位置の不良、咬合調整不良
●維持装置の破折
(原因)
・技工操作のミス:鋳造欠陥、維持装置の形態不良
・患者:不注意な取り扱い、患者自身による維持装置の調整
・義歯を外している時に起こることが多い
・金属疲労:着脱や義歯の機能時の力による金属疲労
●人工歯の破折、脱落
(原因)
・技工操作のミス:不完全な流蝋、分離材の付着、陶歯の維持孔ヘのレジン填入不足
・咬合力の不調和:咬合力の集中、削合・咬合調整の不良、顎堤吸収、人工歯の磨耗による唆合の変比
【義歯装着後どれくらいで破折したのか?】
装着直後⇒ 『技工操作のミス』 『設計のミス』 『咬合調整不良』疑う
装着直後ではない⇒ 『義歯の疲労』 『顎堤の吸収』を疑う
●新製義歯に問題があるもの
・レジン床の厚み不足
・レジンの重合不良
・人工歯の排列位置の不良
・人工歯と義歯床との結合不良(流鑞不十分、人工歯基底面への分離材付着)
・咬合の異常
・口蓋部のリリ-フ不足
●長期の使用による変化
・顎堤の吸収による粘膜面の不適合
・レジン床の疲労
・咬耗による咬合異常
●その他
義歯の落下による衝撃
●修理
・破断面を合わせてもとの形態が再現できることを確認する。
・石膏泥を義歯粘膜面に盛る.(破折片どうしの位置関係を記録)
・破断面に沿って義歯床を削る.(レジンの新鮮面を出す.修理用レジンの厚みを確保)
・補助線を入れる。
・常温重合レジンを筆積みする。
・研磨
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