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下顎体

カガクタイ

分野名

基礎

解説

【概要】
下顎骨の中央部のこと

【詳細】
下顎体は上・下・内・外の4面に分けられる

(1)上面
下顎体の上面は歯槽部という。上顎骨同様、歯が植立する部分があり、これを歯槽部とよび、全体で下歯槽弓をつくる。歯槽に相当する歯槽縁の外面は隆起し、ここを歯槽隆起という。第二大臼歯または最高臼歯の後ろには小さな三角形の部位があり、ここを臼後三角とよぶ。

(2)下面
下顎体の下部はやや肥厚しており、下顎の底辺をつくるので下顎底という。

(3)外側面
下顎体の正中部には縦に走る隆起があり、これをオトガイ隆起という。オトガイ隆起とオトガイ結節は全体として突出した形になっており、ここをオトガイとよぶ。オトガイが前方に突出しているのが人類の特徴である。また第一、第二小臼歯の歯槽に一致した部位(オトガイ結節の斜め上方)にはオトガイ孔が開港している。オトガイ孔にはオトガイ神経、オトガイ動静脈が通る。

(4)内側面
内側面正中部にはオトガイ隆起に相当した4個の小さな突起があり、これをオトガイ棘とよぶ。このうち、上方の2個をオトガイ舌筋棘(上オトガイ)棘、下方の2個をオトガイ舌骨筋棘(下オトガイ棘)とよび、同名の筋が起始する。オトガイ棘の下外側には楕円形の陥凹がある。これは顎二腹筋の前腹が付着するところで、二腹筋窩という。また、二腹筋窩の上方でオトガイ棘の後外側方には舌下腺を容れる舌下腺窩というくぼみがある。下顎骨下縁近くには顎下腺を容れる顎下腺窩がある。舌下腺窩の後方から、後上方に向かって走り、下顎孔近くにある下顎小舌に至る隆起線を顎舌骨筋線という。ここには口腔底をつくる顎舌骨筋がつく。また顎舌骨筋線の下方には顎舌骨筋神経、下歯槽動静脈の顎舌骨筋枝が通る顎舌骨筋神経溝がある。


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