頭部外傷後遺症
トウブガイショウコウイショウ
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分野名
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解説
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【急性期の障害】
<脳振盪>
・意識障害は数秒から数分程度
・回復期には一時的にせん妄や朦朧状態あることあり
→ 受傷前の記憶が脱落することもある
<脳挫傷>
・意識障害は強く、重篤、昏睡状態が数日状態から数週間以上持続するかも
・意識回復期に、せん妄や朦朧状態、錯乱状態などがみられることが多い
<頭蓋内出血>
・脳ヘルニアによる生命の危険があり、早急な脳外科的治療が必要
【慢性期の傷害】
<神経衰弱状態>
・最も多くみられる状態
・不安や抑うつ、不眠、めまい、頭痛、頭重、耳鳴、集中困難、記銘障害などの不安愁訴や、発汗や動悸などの自律神経症状を伴うことも多い
・上記のものは通常1~2か月で軽快するが、神経症傾向が加わると長期に持続する
<知的機能の障害と人格>
・行動の変化
・脳の損傷が広範なほど意識障害の回復は遅れ、しかも思考や記憶、理解能力の低下、あるいは高次脳機能障害がさまざまな程度で残ることがある
・自発性の低下や感情の鈍麻、多幸がみられたり、抑制の欠如、易刺激性などにより行動も衝動的になるなど、感情や人格の障害もみられる
<外傷神経症>
・神経衰弱状態が長期に持続するだけではなく、抑うつ、不安、心気状態などを呈する状態
・症状の出現や経過には、さまざまな心理的、社会的要因が関与している
<外傷性てんかん>
・発作型は全般強直間代発作が主
・ジャクソン型を含む単純発作、複雑部分発作などが次ぐ
<慢性硬膜化血腫>
・血腫の増大とともに不活発やぼんやりした状態
・認知症様症状などが観察され頭痛や悪心、嘔吐など、頭蓋内圧亢進症状も出現
・意識障害が出現し、脳ヘルニアに至ると生命に危険な状態になる
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