パラチノース
パラチノース
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分野名
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解説
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【概要】
糖質系代替甘味料のスクロースの誘導体
(ショ糖を原料にした糖質系の代用甘味料、ショ糖の異性体)
【所在】
・天然には蜂蜜や甘蔗汁中に微量に存在
・大量に得るにためには、固定化酵素を利用して、スクロースから製造
・副産物としてトレハルロースが1割程度生成
【構造式】
スクロースのフルクトース分子の1位の炭素の水酸基にグルコース残基が置換
【特色】
・甘味度:ショ糖の約42%(→あまり甘くない)
・結晶パラチノースは、流動性が良く、保湿性が低い
・非う蝕誘発性
・小腸にて加水分解(イソマルターゼ)をうけ、吸収
・大量摂取による下痢は起こらず
【用途】
・う蝕予防のための甘味料として利用(ガムやキャディーなど)
・近年の利用は低調
【トレハルロース】
≪所在≫
・天然には蜂蜜や甘蔗汁中に微量に存在
・水さえ加えれば生き返る“復活現象”に関わる(水に代わって細胞を守る)
・一般に昆虫の血糖はトレハルロース→必要な時にブドウ糖に転換
≪構造式≫
スクロースのフルクトース分子の6位の炭素の水酸基にグルコース残基が置換
≪特色≫
・結晶化しない(アノマーとしてフルクトース部がフラノース型とピラノース型がほぼ1:2で存在し、それぞれのアルファ型とβ型が平衡しているため)
・甘味度、非う蝕誘発性および小腸での吸収性は、パラチノースとほぼ同等
≪用途≫
・パラチノースとほぼ同じ
(シロップとしての特性が生かせる氷菓、アイスクリーム、ジャム、ゼリーなど)
・動植物の細胞を保護する機能を有する
(酵素等の安定剤、化粧品や医療品に利用)
・破骨細胞の分化誘導を抑制(骨粗鬆症発症予防への応用)
【ショ糖(スクロース)】
≪概要≫
二糖類の一種
≪所在≫
・光合成能力を持つ、あらゆる植物中に存在
・特にサトウキビ、ビート(てんさい大根)に多い
・いわゆる砂糖の80%以上がショ糖
≪構造式≫
C12H22O11(分子量342.3)
ブドウ糖と果糖がα1→2結合でつながったもの
≪特色≫
(1)体内でブドウ糖と果糖に分解、果糖も最終的にブドウ糖として利用
(2)口腔内では口腔細菌によって分解され、不溶性グルカン(菌体外多糖)としてプラークマトリクスの原料となったり、酸(主に乳酸)となって、エナメル質の脱灰(う蝕)を引き起こす、う蝕誘発性(++)
≪用途≫
甘味料として、あらゆる食品や料理に使用
≪う蝕誘発性≫
・う蝕誘発性細菌のもつ酵素グルコシルトランスフェラーゼによって以下の反応を受ける→う蝕誘発性は大
ショ糖⇒不溶性グルカン(→歯面への付着)+果糖、ブドウ糖(→発酵→酸産生の基質)
【二糖類】
≪定義≫
同じまたは異なった単糖が2個、グリコシド結合によって結ばれた糖
≪物質名≫
ショ糖(スクロース)、乳糖(ラクトース)、麦芽糖(マルトース)、など
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