ACFF
エイシーエフエフ
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分野名
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解説
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【概要】
世界人口の35%に相当する24億余りの人々が永久歯のう蝕に罹患(WHOより)。これは数ある疾患の中で最も罹患率が高い。この「う蝕」に対応するために発足した国際非営利組織
【発足】
2010年Alliance for a Cavity Free Future (ACFF、国際非営利組織)が発足
← King’s College LondonのNigel Pitts教授のリーダーシップのもと、ブラジルで2010年9月に開催されたFDI World Dental Congressにて公式に発足
2018年2月、27番目の支部として日本支部が誕生
ACFFの特徴は、目標達成のために、各支部がそれぞれの地域の臨床的・経済的・心理的背景を考慮しながら、地域が受け入れやすい継続できるう窩撲滅への方策を立てることを推進していること。
【ACFFのゴール】
カリエスフリーではなくキャビティーフリー、すなわち、う窩のない未来を目指す
すなわち、う窩の撲滅を実現可能なゴールとして設定
【ACFFの目標】
1:2026年以降生まれの子供は、生涯にわたってキャビティーフリーを達成すること
2: 地域の支部開設3年以内に、その地域の90%の歯学部および歯科医師会が、より良いう蝕の予防とマネジメントを実践するために、「生涯にわたる疾患としてのう蝕」へ新しいアプローチと、その背景にある考え方を受け入れること
3: ACFF と地域の支部は、口腔と全身の健康との関連を視野に入れつつ、国内および国際的なう蝕の不均衡を是正するために幅広い組織と協力して活動すること
目標 4: 2020年までに、ACFFの地域のメンバーが一体となって、包括的かつ地域に適したう蝕予防およびマネジメントのシステムと、それをモニタリングする取り組みが浸透する環境を整えること
【日本の現状】
我が国の12歳児平均DMFTは0.82本(平成29年度学校保健統計調査)で非常に高い予防効果が示されていますが、小児う蝕の減少=国全体のう蝕の減少とは言い難い状況です。養育者の収入に代表される社会経済的要因といった背景、青少年期でのう蝕の急増、また超高齢化社会における根面齲蝕の急増など見過ごせない問題が存在します。
ACFF日本支部では、このような問題を解決するために、我が国の現状に則したう蝕撲滅実現の目標を打ち出すこと、また同時に、我が国のマネジメントをモデルケースとして世界に発信することを目指していきたいと考えています。
具体的な活動目標
1:幼児の口腔保健の格差を是正するために、地域行政に働きかけて、妊婦および母親教育を充実させる。
2:生物学的なう蝕のマネジメントを推進するために、歯学教育にICCMS®を導入するよう、歯学部、学術団体、および行政に働きかける。
3:高齢者の根面う蝕を予防するために、う蝕罹患に関する実態調査を行い、効果的な予防法を探索する。
ACFF日本支部は、上記目標を達成するためのシンクタンクとしての役割を担いつつ、同時に研究推進を行っています。具体的な研究プロジェクトを示します。
1:LINEを活用したう蝕予防の試み
2:高齢者の根面のう蝕発生メカニズムを解明する
3:理想的なオーラルフローラとは何か
4:ICCMS™翻訳プロジェクト
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