外頭蓋底
ガイトウガイテイ
-
分野名
-
解説
-
【概要】
頭蓋底の内面を内頭蓋底、外面を外頭蓋底という。
【詳細】
頭蓋底の外面は前部、中部、後部の3部に区分される。
(1)前部
前部は上顎骨(歯槽突起、口蓋突起)と口蓋骨(水平板)、後鼻孔の下端で構成され、顔面頭蓋を構成するう骨口蓋と歯槽突起に上顎歯が植立し、U字型の歯槽弓を形成する。後鼻孔の外側端は蝶形骨翼状突起内側板で、その下端は鈎状に曲がった翼突鈎となり口蓋帆張筋の腱の向きを変える。
(2)中部
中部の中央に後頭骨の底部が存在し、その外側に蝶形骨(後頭)孔があり、この大孔より前方は咽頭の筋肉が付着するため隆起しており、これを咽頭結節という。
外側の蝶形骨大翼は頭蓋底面に側頭下窩を形成し、その後端部に下顎神経が通る卵円孔と、下顎神経の硬膜枝と中硬膜動脈が通過する棘孔が見られる。これらの二つの骨の間に介在するように側頭骨の岩様部が入り込んでいる。岩様部は、前内方にある錐体と後外方にあって大きな乳様突起のある乳突部からなる。錐体の尖端に破裂孔があり、錐体と大翼の間には蝶錐体裂がある。この部位には、錐体内を後方に向かい鼓室との間を結ぶ筋耳管管が開口している。後頭骨と錐体の間はす完全接合しているので裂隙があり、とくに後端部は、両方の骨にある深い切れ込み、すなわち頚静脈切痕が合わさって頚静脈孔を形成している。
この孔を前後に区切る突起が存在し、前方には舌咽神経(脳神経 IX )、迷走神経(脳神経 X )、副神経(脳神経 XI )が通り、後部の大きな部分を内頚静脈が通る。錐体の中央には、内頸動脈の通る頸動脈管が開口している。この管は錐体内でほぼ直角に屈曲して内側に向かい、内頭蓋底の中頭蓋窩に開口する。乳突部には胸鎖乳突筋の付着する母指頭大の乳様突起があり、これを茎状突起という。この2つの突起の間には直径3mm前後の茎乳突孔がある。これは内耳孔から始める顔面神経管の出口で、ここから顔面神経(脳神経 VII )が頭蓋の外に出る。
乳様突起の前方には母指頭大のくぼみがあり、下顎窩とよばれる。これは下顎等と関節して顎関節を構成する。下顎窩の前方は少し骨が隆起しており、これを関節結節という。されにその先は頬骨と接合して頬骨弓を形成している。
(3)後部
後部は後頭骨と後頭鱗からなっている。大(後頭)孔の外縁にあたる外側部には頸椎(環椎)と関節する空豆状の後頭顆が隆起している。この後頭顆の下を、内側から外側へと舌下神経の交通する舌下神経管が貫通している。
第1頸椎である環椎と関節する後頭顆の後方には顆窩というくぼみがあるり、ここには内頭蓋底のS状静脈洞との間を結んでいる導出静脈の通路となる顆管が開口している。
★★★ ぜひご活用ください! ★★★
OralStudio歯科辞書はリンクフリー。
ぜひ当辞書のリンクをご活用ください。
「出典:OralStudio歯科辞書」とご記載頂けますと幸いです。