概要
『ゴムメタル』とは
『ゴムメタル』はトヨタグループのシンクタンクである豊田中央研究所で開発された新チタン合金です。柔らかく、しなやかでありながら高強度で腰が強いという特性を持っており、また加工硬化しにくいので折れにくい金属です。
また、生体安全性も証明されており、人に優しい合金です。決してゴムではありませんが、金属でありながら、ゴムのような性質を持つ不思議な合金ということから『ゴムメタル』と名付けられました。
歯列矯正用ワイヤーに応用
『ゴムメタル』の特性は、言い換えればしなやかであるが剛性もあるというもので、まさに歯列矯正に打ってつけでした。しかも、曲げることも可能ですので、しなやかではあるが曲げることができないというNi-Tiワイヤーの弱点を補うものでもあります。また、Niを含まないのでニッケルアレルギーの患者さんにも安心して使用することができます。
広範囲に使用できる矯正力特性
ゴムメタルを矯正用ワイヤーの形状にして、同サイズで矯正力を比較すると、左のグラフのようにNi-Tiよりも強くTi-Mo よりもしなやかです。広範囲に使用できる特性を持っていますので、ワイヤーサイズの種類やワイヤー交換の回数を減らしていただくことができます。
低い摩擦
低ヤング率であるため、不揃いの状態のブラケットに装着した場合でも、応力がブラケットの局部に集中することがなく、また美しい表面仕上げで摩擦がTi-Mo合金ワイヤー(ベンダロイ)の半分以下です。
日本人に適したアーチ形状
『ゴムメタル』は、曲げることが可能ですので、お好みのアーチ形状にベンディングして頂いても構いませんが、基本的には日本人に適したナチュラルフォームをご用意いたしました。また、レーザーによるミッドマーキングを施し、アーチのセンターがすぐに分かるようにしました。
上顎用には3本、下顎用には1本のレーザーマーキングが入っています。