他覚所見なし、自覚症状のみの舌痛
他覚所見からは一見正常にみえますが、患者さんは「舌が痛い」と強く訴えるようなケースがあります。
他覚所見がないため舌痛症と診断されてしまうことがありますが、この中にはカンジダが関与している症例があることがわかってきています。
このような症例に対しては、細菌学的検査が可能な病院歯科と連携し確実に診断を行うことが重要になります。
実際の鑑別について
このようなケースの鑑別は難しいですが、少しでもカンジダが検出されて“なんらかの自覚症状(舌が痛い等)”があれば口腔カンジダ症と診断して問題ないと考えています。ただし、自覚症状がない場合は、カンジダ菌が検出されても口腔カンジダ症とは診断できません。その理由は、カンジダ菌が口腔常在菌であるため、何らかの症状を引き起こしていない限り、疾患とは言えないからです。
このように、舌の痛みを少しでも訴える(自覚症状がある)患者さんには、カンジダ菌が関与しているかもしれないということを念頭に置いて治療を進めていかないと、含嗽剤やステロイド剤を処方してしまい、一時的に軽快してもまた悪化し、治療を長引かせてしまう可能性があります。
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