カンジダ感染症として頻度の高い口角炎
以前より、口角炎はカンジダとの関連が指摘されています。
カンジダが関与している口角炎の特徴としては、口角部に発赤や剥離性の落屑が認められます。口腔カンジダ症として頻度が高い病型です。
この原因のひとつに、咬合高径減少(無歯顎あるいは咬合高径が低い義歯の使用など)が考えられます。つまり、口角部の筋肉が緩むためにしわが寄り、そこに唾液が溜まるため口腔の微生物が停滞しやすくなるのです。
口角炎は、炎症や細菌による二次感染と考えられていたため、抗菌薬やステロイドを配合した軟膏が使用されていましたが、症状は一時的に軽快するものの、すぐに再発することがあります。
その原因特定のために患部を拭った検体を培養してみるとカンジダが検出されることが多いため、難治性の口角炎とされていた疾患においても抗真菌薬を使用(フロリードゲル経口用2 %を1 回5 g、1 日2回、2 週間投与)することで軽快します。他覚症状として、口腔粘膜が赤くなり、舌乳頭の萎縮や口角炎等がみられたら、カンジダの関与を念頭に置いて診療に臨むべきです。
WHOでは「両側の口角炎の原因は口腔カンジダ症」とされています。こうした場合、胃が悪いなどということではなく、口腔カンジダ症を疑って抗真菌薬の投与が必要です。
カンジダ性口唇炎の症例
カンジダ性口唇炎では、まれに唇が腫れたり、熱感・腫脹・疼痛などを訴えることもあります。
口唇炎のすべてが口腔カンジダ症とは限りませんが、口腔カンジダ症の条件があてはまる患者さんに口唇炎があったら、口腔カンジダ症を疑ってください。