肥厚性口腔カンジダ症とは?
肥厚性口腔カンジダ症は、粘膜上皮へカンジダが侵入することによって上皮の過形成が起こり、角質層が過角化あるいは錯角化を呈するために堅く肥厚した上皮を形成するものと考えられ、比較的症状は少なく、形態の異常を気にして来院する場合が多いです。
好発部位は口角、頬粘膜、舌等ですが、正中菱形舌炎は肥厚性口腔カンジダ症であることが報告されており、抗真菌薬を使用すると軽快することが多いです。
このように、肥厚性口腔カンジダ症では、上皮の過形成であるため、拭っても取れない白斑が特徴ですが、白板症や肉芽腫などとの鑑別が必要になります。
舌にできた肥厚性口腔カンジダ症
舌にも肥厚性口腔カンジダ症は発症します。
もう少し症状が進行すると硬く盛り上がり、カンジダ上皮にが入り込み表面が角化してしまい、皮膚のように固くなります。肥厚性口腔カンジダ症では一部症状を示すものもありますが、ほとんどの症例が症状を示さないので治療がなされないこともあります。
⇒このような臨床所見から鑑別が難しい場合は、「臨床診断」を行わずに検鏡や培養による「確定診断」を行う必要があります(病院歯科を活用しましょう)。
ステロイド長期投与と肥厚性口腔カンジダ症
次に全身性エリテマトーデス(SLE)に罹患している方などで、ステロイドを長期投与していたところ口腔カンジダ症(慢性肥厚性口腔カンジダ症)を発症するケースもあります。
正中菱形舌炎
近年、正中菱形舌炎は肥厚性口腔カンジダ症であることが報告されています。このため、抗真菌薬を投与すると軽快する例も多いようです。
顎堤粘膜にできた肥厚性口腔カンジダ症
この症例は、上顎顎堤に肥厚性口腔カンジダ症を発症しています。粘膜面が硬く肥厚した上皮に変化していることが確認できます。