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11 口腔カンジダ症 院内での培養検査

11 口腔カンジダ症 院内での培養検査

カンジダ検査の実際


一般的に微生物検査には、顕微鏡検査と培養検査がありますが、院内で行う場合、培養による検査を推奨します。既に歯科用として「カンジダディテクター」というカンジダ検査専用培地が発売されていますので、そちらを使用されると簡単にカンジダの存在を評価できます。



検査法:カンジダディテクター


【概要】
カンジダディテクターは、10本1セットで販売されているカンジダ専用培地(サブロー培地)です。1本単価や約400円程度です。

通常、培地培養を行う場合は、恒温漕(37度湿度100%環境)が必要ですが、カンジダディテクターは常温での培養が可能(コロニー数より菌数を測定)です。


恒温漕で培養した場合
菌数に応じて培地の色が変化し、より視覚的にカンジダの存在を確認できます


【使用方法】
(1) 検体(一般的には口蓋粘膜よりサンプリング)が付着した綿棒をカンジダディテクターの培地に塗布します。
(2) 常温で保管(培養)します。目安としては、夏場で3~5日間、冬場で5~7日間


10の3乗個で偽陽性、それ以上で陽性と診断します。なお、この製品では菌種同定は行えません。


【廃棄方法】
培地は再利用できませんので、培養後廃棄する必要があります。
使用済みのカンジダディテクターは、医療廃棄物として廃棄できます(メーカーに確認済み)。



評価と対応


■ 評価
培養終了後、コロニー数を数え判定します


■対応
陽性や偽陽性の場合は、


【抗真菌薬の処方】
・ 必要に応じて抗真菌薬処方(ファンギゾンシロップやフロリードゲル)

【予防的な対応】
口腔ケア(適切な義歯洗浄指導や粘膜ケア指導)を強化
・ 抗真菌作用のあるヒノキチオール含有ジェル(リフレケアH)の使用(義歯内面へ塗布)
・ 口腔乾燥がある場合は保湿剤(ビバ・ジェルエットなど)の使用


■ 再評価
必要に応じ、定期的にカンジダディテクターを用いて再評価することにより、患者さんのモチベーションが維持しながら、口腔内細菌叢のバランスを維持するように心がけましょう。



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2019年12月12日

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