確定診断について
先にお話した臨床診断が難しい場合、疾患を引き起こすレベルのカンジダ菌が存在するか検査する必要があります。検査には、「培養検査」と「鏡検」がありますが、ここでは、菌腫の同定ができ、ある程度定量的な評価が可能な「鏡検方法」についてお話していきます。
鏡検のための染色法
鏡検のための染色法はグラム染色やギムザ染色(サイトクイック染色)が一般的ですが、グラム染色は手間がかかるため積極的に行いません(注:鶴見大学附属病院 口腔機能診療科での実施状況)。
最近用いているのは、蛍光染色のファンギフローラY染色です。真菌の細胞壁に存在する多糖類を特異的に染色しているため、判定しやすくなっています。
これを用いて染色をした塗抹標本を簡易型LED蛍光顕微鏡CyScope FYで観察するため、暗室は必要ありません。
鏡検での定量的評価は可能か
塗抹鏡検の1視野あたりのカンジダの菌体数と培養したカンジダの生菌数は、強く相関していることが認められました。
このことから、鏡検でもある程度の定量的評価が可能であり、鏡検は口腔カンジダ症の診断に有用であると考えられました。
参考:岡本真理子 他:鏡検によるカンジダの定量的評価についての検討. 日本口腔科学会雑誌 61(1):33-38, 2012
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