抗真菌薬の処方及び使用方法
【使用する抗真菌薬は?】
フロリードゲル経口用2 %を使用します。現在5gと20gの2種類のチューブが販売されています。20gチューブを処方する方が、5gチューブよりも1回の処方本数が少なくなるのでお勧めです。
【義歯基底面少量塗布療法のススメ】
大型の有床義歯を装着している方の場合、フロリードゲル経口用2 %の義歯基底面少量塗布療法をお勧めしています。この方法は、義歯の基底面(粘膜面)に1 日わずか1 g、2 週間塗ります。その臨床的効果・真菌学的効果はデータにもはっきり現れています。
義歯の基底面(粘膜面)に塗ってそのまま装着させるため密閉療法となり、塗布部にフロリードゲル経口用2 % が長時間停滞します。
この使い方は添付文書にも書かれていますので、診療報酬請求上でも問題となる使用方法ではありません。
ただし、義歯に定着したカンジダ菌は非常に強固でなかなか除去できないため、義歯装着者で口腔カンジダ症を繰り返す患者さんは、義歯を作り直すことも必要かもしれません。その場合、レジン床よりも金属床のほうがカンジダ菌の付着を抑えることができます。また、抗真菌作用のある成分が配合されている義歯洗浄剤が発売されていますので、これによるメンテナンスにより、口腔カンジダ症発症のリスクを軽減できます。
カンジダ症にステロイドは禁忌です!!
口腔カンジダ症の治療にはステロイド剤の使用は禁忌です。
ステロイド剤を塗布するとカンジダ症は増悪します。
このため先生は、痛み・炎症の原因を的確に診断し、適切な投薬を行う必要があります。
歯科医療従事者のカンジダ菌に対する理解はまだまだ低い状況であると思われます。是非とも、この機会に一通りOralStudioのカンジダコンテンツを通読頂き、知識を深めて頂けると幸いです。