真菌症とは?
真菌症は「表在性真菌症(皮膚や粘膜面)」と「深在性真菌症(内蔵諸器官)」の大きく2 つに分類され、口腔カンジダ症は口腔領域にできる表在性真菌症になります。
近年は真菌症自体が増加傾向にあり、真菌症の発生頻度報告によると、起因真菌別頻度ではカンジダとアスペルギルスが特に増加しており、現在、放線菌症、肺真菌症やアスペルギルス症、クリプトコッカス症などの深在性真菌症が注目を浴びています。
真菌症の年間推移
特徴としては、真菌症全体(黒線)が増加傾向にあり、その中でもカンジダ症(赤線)とアスペルギルス症(黄線)が増加傾向にあります。1990年頃を境に減少していますが、これは1985年にミコナゾール(MCZ:Miconazole)、1989年にフルコナゾール(FLCZ:Fluconazole)製剤が発売されたことによるものと考えられます。
真菌症全体が増加傾向にある理由は?
検査精度の向上が考えられます。たとえば「不明熱」とされていた症例では、MRI やCT 等の画像診断技術の向上により、真菌性肺炎が原因であるなどの判別が可能になりました。
また、近年、広域スペクトルを持つ抗菌薬の使用、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などでのステロイド吸入薬投与、抗がん剤の使用や放射線治療などによる免疫抑制により、それらの副作用として口腔カンジダ症が多くみられるようになってきたことが考えられます。
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