■ 歯学部付属病院が複数
中山大学歯学部では、複数地域に関連病院を持っており、さらに現在、南沙エリアに400ユニット規模の新病院の建設も始まっています。
今回は、中核である付属病院を視察させて頂きました。
といっても、建物は複数に分かれています。
・口腔外科、保存系、補綴系
・小児歯科、矯正
・高齢者、障碍者
で建物は分かれており、どのクリニックも患者さんで溢れかえっております。
■ 診療設備・環境
一流のマイクロスコープやIOSがそこら中にあります。
その数は驚きです。診療科によっては、ユニットの数だけ整備されている状況。
中国には歯科衛生士という資格はなく、看護師がアシスト業務を担っております。一見日本の診療スタイルと同様ですが、予防やケアの専門家がいない点が、インプラントや矯正が爆発的に伸びている中国において不安材料だと感じました。
また、手が触れる全ての部分にフィルムが張られており、感染対策・環境衛生管理も一見徹底しているように見えますが、そのフィルムを患者毎に変えているかというと、定かではありません。
■ OralStudioの視点
これは国民性によるものだと思いますが、
患者さんの家族が結構な数同伴していること。
人によっては1人の患者さんに4人がついてきて、治療中もユニットの周りをウロウロしたり、治療を覗き込んだり、本当に自由。
また、基本的に自由診療なので、各処置ごとの費用が掲示されており、明瞭会計になっている点も興味深く感じました。
そして最後に、口腔外科病棟での出来事。
廊下にもベッドが所狭しと並んでおり、そこに「1102」とか「1114」とか書かれているわけです。なんと、一人でも多くの患者さんに対応するため、廊下も病室として使用されているとのことです。廊下で着替えて、廊下で処置されて、廊下で寝る。
日本では信じられませんが、圧倒的な歯科医師不足のため、歯科治療に膨大な待ち時間を強いられる中国にとっては、必要な対応策と言えるのかもしれません。
文責:OralStudio代表歯科医師 小城 賢一