【進行したホワイトスポットの 再石灰化と硬度回復】
高輪歯科 加藤 正治
■ クリンプロ™ ホワイトバーニッシュ F の特徴
クリンプロ™ ホワイトバーニッシュ Fは、リン酸カルシウムの一種であるTCPとフッ化物を同時配合して、効果的にそれぞれのイオンをリリースできることが最大の特徴です。
■ 多数歯齲蝕症例へのアプローチ
図は、15歳男子中学生ですが、清掃不良による初期う蝕の進行に加え、酸性飲料の頻回摂取が原因でホワイトスポットが進行し、歯面を乾燥して拡大観察するとエナメル質表層が一部崩壊して実質欠損ができはじめていることがわかります。
一般的に初期う蝕にはセルフケアにおいて低濃度のものを毎日繰り返し使用することが推奨されていますが、本人の協力とブラッシング技量、周囲の理解が伴わないとエナメル質が脆弱化して崩壊してしまうことがあります。
このようなケースでは、セルフケア指導とともに本製品を用いると、フッ化物イオンとともにカルシウムイオンやリン酸イオンがハイドロキシアパタイトのCa/Pモル比に近い状態でリリースされます。
■ 高濃度フッ化物を24時間リリース
図2のように歯列に 沿って薄くコートするだけで24時間リリースが続くことから、表層下脱灰の再石灰化にとって有利な環境が持続しやすいと考えられます。また、なかなか口腔内の酸性環境が改善されにくいlower pHにおいても、3つのイオンがより効果的にホワイトスポットに供給され、エナメル質の硬度回復と耐酸性向上効果が期待できます。
クリンプロ™ ホワイトバーニッシュ Fは、ホワイトスポットのエリアの拡大と深度の進行により表面硬度が低下している症例において、スピード感のある予防効果を得るために有効な武器となるでしょう。
【う蝕再考】コンテンツがまとまったPDF版レポート
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