【クリンプロ™ ホワイトバーニッシュ Fという 新たな選択肢】
延徳歯科医院 仲川 隆之
■ フッ化物製剤のフッ素イオン濃度
■ フッ化物製剤のフッ素イオン濃度
歯科領域で応用できるフッ化物製剤には様々な濃度、性状の物が存在する。ホームケア、プロケア問わず、国内外の主なフッ化物製剤をフッ素イオン濃度順に記載する(図1)。
■ クリンプロ™ ホワイトバーニッシュ F の操作性
従来から日本で認可されているNaF製品は粘度が高く、濡れた歯面には停滞しにくいため、防湿した状態で1歯2歯に塗布するには向いている反面、歯列全体に塗布するのは困難であった。
クリンプロ™ ホワイトバーニッシュ Fは個包装になっており、使用直前に混和して塗布する。徐々に粘度が増していくものの、数分間は操作時間の余裕があり、全顎塗布にも適した性状となっている。塗布後には歯面に白い沈殿物が一時的に付着するため、施術前に説明が必要である。
■ 歯科医師のフッ化歯面塗布剤の使用率について
SNS上で、私の知人100名にフッ化物歯面塗布剤の使用率のアンケートを行ったところ、フッ素塗布製剤の製剤別導入率としては、APFは88%、SDFは72%と高い反面、今回紹介したNaFは26%と低い結果となった(図2)。
アンケートで最も使用率が高かったのはAPF製剤であったが、日本で認可されている製品はBrudevold第2処方と呼ばれる9,000ppmのAPF製剤である。
国際的に見ると、臨床研究されているAPF製剤は12,300ppmで、9,000ppmのAPF製剤に関してはエビデンスが十分とは言い難い。その点、今回紹介したNaF製剤(22,600ppm)は、臨床研究も多く、エビデンスに基づいた予防方法だと言える。
全顎塗布に適したエビデンスに基づいた高濃度フッ化物歯面塗布剤「クリンプロ™ ホワイトバーニッシュ F」という新たな選択肢が加わることは、歯科界にとって朗報と言えるのではないだろうか。
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