■ OralStudio 臨床評価調査概要
2020年7月1日~15日間、OralStudioプレミアム会員Dr.38名による当製品の臨床使用感調査を行いましたので、報告致します。
■ 3種類のフレーバーのうち、使いたいと思われたものを全て選んでください。(38件の回答)
ミントが圧倒的に好まれたようです(約79% のDr.が使いたいと回答)。
複数のフレーバーを選択できる自由は、患者さんとのコミュニケーションの一環として活用できそうです。
■日本の臨床ではあまりバーニッシュに馴染みがないですが、今後導入したいと感じられましたか?(38件の回答)
80%以上のDr.が今後導入したいと回答されました。
以下コメントでは、塗布しずらいとのご意見もありますが、従来のバーニッシュと比較すると圧倒的に操作性が良くなっているため、操作に慣れて頂けるとより積極的に活用できる材料だと考えられ、結果的に患者さんのう蝕予防につながると感じます。
■導入したいと回答したDr.に伺いました
どのような症例への適用に魅力を感じますか?全て選んでください。(32件の回答)
知覚過敏はさることながら、様々なケースのう蝕予防への適用に魅力・可能性を感じられていることが浮き彫りとなりました。
■導入したいと回答したDr.のコメント
●すばらしい製品。臨床応用がさまざまに進めば、齲蝕予防分野の発展に繋がる。
●非常に効果が高く感じた。この時代、個包装は必須。
●正直、実感として効果のほどは分からない。
●速効性があるので、患者様受けはよかったです。少し香りがきついように感じられた。
●待ち望んでいた製品が日本発売となり,臨床適応の幅も広いので予防プログラムに組み込んで提案したい。
●薬剤が歯面に残留するので他の方法より効果が期待できると思う。
●歯面に薄く塗布するのが思ったより難しかった。また、大臼歯部は塗布が難しかった。
●日本に帰ってきてからアメリカで使用していたような良いバーニッシュを探していたが、こちらは使えそう。
●他のバニッシュ製品を利用した事もあるがそれよりも良いので導入を考えたい。
●ブラシによる塗布の際、厚すぎてしまうような気がする。
●操作性に慣れが必要。
■導入しないと回答したDr.のコメント
●塗布後、ザラザラするのが気になると訴えられました。その割には、確実に効くわけではなく、その点が気になる。
●従来のhys製剤に比べてあまり効果は感じられなかった。
●薬剤の匂いがキツくて、気持ち悪くなってしまう。
●硬さが中途半端で使用しにくかった。
●包装は良いが、操作性や患者さんの留意点等に疑問がある。
■ OralStudio臨床評価結果より
操作性について賛否ありますが、従来のバーニッシュを念頭に当製品を使用した場合は「扱いやすい」、現在お使いの知覚過敏抑制材と比べると「扱いづらい」と感じられたのではないかと考えられます。
この点については、当製品が今までにない高濃度フッ素を歯に徐放できる製品であるという“う蝕予防の観点”からの理解、また日常的に使用していくこと、で解決されるでしょう。
また、知覚過敏抑制効果の即効性についても意見が分かれました。これは症例依存なのか、もしくは使用方法に何らかの差があったのかが興味深いところです。
一方、歯科医学的観点からのメリットとは別に、患者さんがどう感じられるかも重要です。味覚が敏感な方の場合は味を気にされるでしょうし、塗布後数日間は歯面にざらつきが残るため十分な説明を行い、不快感以上のメリットについて適切に説明することが大切です。
知覚過敏抑制のみならず、う蝕予防の大きな武器となる可能性を秘めた製品なので、「歯科医療従事者による適切な運用」と「患者さんの理解」を醸成し、日本におけるう蝕予防を一段上に押し上げていければと感じます。
【う蝕再考】コンテンツがまとまったPDF版レポート
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